異端審問官は新米子羊の夢を見るか?
部屋の灯りを消し、テメノスはベッドの上でクリックの膝上に跨った。
すぐさま弱いとバレでいるらしい首筋に吸い付かれ、呼吸が乱れる。そのまま寝間着を捲られ、既に反応していた胸に大きな手が這っている。
「は、ぁ……クリック、くん」
何故だか名前を呼びたくなって、喘ぐ声を抑えることも忘れて身を任せた。もしかしたら本当に薬の効果が出ているのかもしれない。そうでないと、耐えられそうにない。
クリックの指がぷくりと膨らんでいる突起を捏ねるように扱き、コリコリと何度も引っ掻いている。その刺激に耐えようとすると無意識に腰が揺れてしまい、それに気が付いたクリックは指だけでなくもう片方の突起へ舌を這わせた。
「あ、あっ」
指とは違う、ぬるりとした感覚に痺れそうになる。口に含んで舐めたり吸ったり、舌先で突かれたりを繰り返される。もう片方も同時に指で捏ねられており、テメノスは更に喘いだ。
「も、そこやだ、ぁ……あッん!」
「でも、テメノスさん気持ちよさそう」
「んン……だって、頭ヘンになってる、ぅあッ、あっあん!」
きゅっと乳首を摘ままれ、思わず甘ったるい声を出してしまった。腰が揺れて、先走りで濡れている芯をクリックの腹に擦りつけてしまう。
そうしているとクリックは胸から離れ、テメノスの腰を抱き寄せた。どうするのかと思ったら、その大きな手でテメノスとクリックのペニスを擦り合わせる様に握り込んだ。
にゅる、ずちゅ、と卑猥な音が響く。手で握られる感覚とクリックのモノとの擦れる感覚に腰が痺れて、テメノスは何も考えられなくなりそうだった。
「あっあ……ん、ああ!」
クリックの首にしがみつき、扱かれながらも与えられる刺激を必死に受け止める。そろそろ限界が近く、視界がチカチカと瞬いた。
「テメノスさん……かわいいです」
「や、ぁ……あ!イく、クリックくん、イっちゃ、う……あっあア!」
「いいですよ、そのまま手に出して」
直後、テメノスの中心からぴゅるっと熱が吐き出され、遅れてクリックも射精した。吐精した感覚に力が抜けて、テメノスはクリックに身体を預ける。
「は、ァ……」
クリックの胸に額をおしつけると、どくどくと脈打つ音が聞こえた。少しばかりはやい鼓動。彼も同じように、興奮しているのだろうか。
互いに無言のままでいると、先にクリックから口を開いた。
「テメノスさん、ごめんなさい」
「え……?」
そのままゆっくりとシーツに抑えつけられる。これからどうされるのか予想がついて、テメノスは慌てて両足を固く閉じた。
「あ、あの!そこまでは許してませんから!」
「分かってますよ、入れさせてくれだなんて言いません。だから、こっちだけ……」
クリックはテメノスの身体をひっくり返すと腰を掴み、上へ向かせた。そのまま固く閉じられた太ももの間に、そそり立ったペニスを差し込んでいる。
「挟んでもらうだけ……いいですか?」
こんな状態で断れるはずもない。テメノスが無言で頷いて見せるとクリックはゆっくりと腰を動かし始めた。
ぱちゅっぱちゅん。今度は肌がぶつかる音が響いて、テメノスは頭の中が真っ白になっていた。これではほとんどセックスと変わらないではないか。
「あっん、んあっあァ、あっ!」
太ももが擦られる感覚と、時折クリックのモノが自身へ触れる感触が気持ち良い。脳が蕩けてしまいそうで、与えられるままに善がった。
欲望のまま腰を打ち付けられ、それに酔いそうになる。全身で欲しがられているのが、求められているのが分かる。このまま本当に溶けてしまいそうだ。
「はあ、テメノスさん、テメノスさん……」
何度も名前を呼ばれる。そのたびに身体が勝手に反応して、勢いのまま「入れてもいい」と言ってしまいそうになる。
もし次求められることがあったら、その時は怪しいかもしれないな……などと考えてしまい、誤魔化す為にシーツをきつく掴んだ。
「あっ、や、あ……だめっまたイく、イく……クリックくん、あ、あっひぁ、あ!」
「僕も……テメノスさん、好きです。ずっと、ずっと」
好きだなんて、こんなときに言わないでほしい。それを聞いた瞬間体温がぶわっと上がり、痺れが全身を駆け巡った。
そしてほぼ同時に熱を放って、身体がシーツに沈んでいく。
太ももの間からクリックの芯が抜けていく感覚があり、脚を精液が伝う。視界の端でその様子を見て、まるで本当に彼とセックスをしてしまったみたいだ、とぼんやり考える。
彼に返す借りは、あといくつだっただろうか。