プリズムに陥落
翌日、目が覚めると何事も無かったかのようにいつも通りの朝を迎えていた。
服もきちんと着ているし、ベッドも乱れていない。身体も綺麗だ。昨夜のことは夢だったのだろうか。確かに現実だったはずなのに。
しかし起き上がろうとして、身体の怠さに気が付いた。
これは、5年前にはじめて夢魔が夢に出てきたときの感覚に似ている。生気を吸われたときの感覚だ。
(夢ではなかった……?)
嬉しい、と思った。また会えるのかは分からないが、彼はきっと来てくれる気がした。
「テメノスっ!」
教会の前を掃き掃除していると、ロイの声が聞こえた私は驚いた。帰ってくるまであと2週間以上はあったはずだ。
「ロイ……?」
何やら慌てた様子のロイに、何かあったのかと心配になり駆け寄った。久しぶりに見たロイの姿は変わりないようだが、問題でもあったのかもしれない。
「おかえりなさい。なにかあった?」
ここまで走ってきたのだろう。肩で息をしているロイの背中をさすりながら訊くと、ロイは首を横に振った。
「そういうわけでは無いんだが……なにか嫌な気を感じて早めに切り上げてきたんだ。テメノスこそ、何もなかったか?」
真実を追求する異端審問官にじっと見つめられ、思わず息を呑む。つい夢魔の話をしてしまいそうになったが、ここでそれをしてしまっては彼とまた会えなくなってしまうのではないだろうか。
私が何もないと伝えるとロイは安堵したのか大きく息を吐いた。
そして「何かあったらすぐに連絡してくれ」とだけ言い残し、大聖堂へと向かって行った。
* * * * * * *
そのまま何事もなく、夜を迎えてしまった。
今日も彼は来てくれるのだろうか。寝る前にこんなにも緊張するのははじめてだ。
これ程までに他人が恋しくなるなんて。これは、もうロイが言っていた“取り憑かれている”状態なのではないだろうか。それでも、構わないのだが。
ベッドに横たわり目を瞑っていると、いつの間にか眠りへと誘われていた。
「――テメノスさん」
聞き慣れた声に呼ばれ、私は目を覚ました。
また真夜中だ。隣を見て、思い描いていた彼がそこにいたことに安堵した。
「クリック君」
「また、来てしまいました」
言いながら、横になったままキスをする。それを自然と受け入れている私もどうかしているのだろうが、はやく続きをシてほしい。
キスもたくさんしたいが、自分の欲望を伝える為にクリック君の胸を押して少し距離を取る。彼が不思議そうな顔をしているが、気にせず私は寝間着の上を捲った。
無防備な胸元を彼の前に曝け出し、小さな声でなんとか思っていることを口にした。
「ここ、はやく……触ってくださぃ……♡」
我慢できずに寝る前に少しだけ自分で触ってみたけど昨日の様にはいかなかった。
彼の大きな手で弄って欲しい。口に含んでいっぱい吸って欲しい。それを分かって欲しくて、既に興奮して待ちきれない乳首を彼の前で露わにした。
クリック君は何も言わないまま手を伸ばしてきて、つう……と指先を胸元に這わせていく。じらす様にぷくりと色づいた乳輪を指の腹で擦られ、腰が揺れはじめた。
「や、もっと……おねが、ぃ♡」
もう、取り憑かれていたとしてもいい。もっと触って欲しい。もっと彼が欲しい、もっと、もっと。
お互い寝転んだ体勢のまま向かい合う。
クリック君が乳首の下からコリコリ♡と引っ掻く様に触れてきて、それだけで全身が震えそうになる。
「あッあ、あん、あッやァん♡」
「声、かわいい。いっぱい聞かせてくださいね」
「かわいくなんか、ない……ひぅっん、んァ、ああッ♡」
きゅむ♡と両の突起を強く摘ままれ、それだけで軽くイってしまった。
達した後も摘ままれ、気持ちがイイこと以外に何かがおかしいことに気が付いた。
(胸、熱い……なに、なにか、ヘン……♡)
こちらの身体の異変には彼も気が付いているようで、あやすように「大丈夫ですよ」と囁かれた。
「そのまま、気持ちいいことだけに集中しててください」
乳首を摘ままれたり引っ張ったりを繰り返され、先ほどよりも熱が集まってくるのが分かる。
そのまま身を任せていると、突然突起からぴゅっ♡と何かが溢れ出してクリック君の手を汚してしまった。
「な、に……?や、ぁ♡ぁあッあ♡♡」
何度も摘ままれ、その度にぴゅっ♡ぴゅるっ♡と先端から液体が溢れ出している。
そんな、信じられない、と顔を背けたくなるが、興奮には勝てない。どれだけ喘いでも止めてもらえず、乳首からはたらりと薄い色の液体が垂れている。
「クリックくん、これぇ……な、なに……?」
「……僕たちとの交わりの作用らしいのですが。性別や妊娠の有無など関係なく、夢魔との性交を続けると稀に母乳が出ることがあるそうです。大丈夫ですよ、しばらくしたら収まるので」
「ぼにゅ、ぅ……?」
やっぱりこれは夢ではないのだろうか。そんなこと、いくら悪魔が言うにしても信じられない。
しかし実際問題として私の胸からは母乳と思わしきものが溢れている。それをぼんやりと眺めていると、クリック君は片方の乳首を摘まみながら、もう片方を口に含んでぺろぺろと舐め始めた。
「ひぁッあん♡」
「止まるのを待つより出し切った方が手っ取り早いので、少しだけ我慢してくださいね」
「そん、なッあ、あァ♡」
垂れたものを舌で舐めとりながら、同時に突起も口に含んで赤ん坊の様にちゅうちゅうと吸っている。
耐えきれなくなってクリック君の頭を抱えて胸へ押し付けるようにしてしまう。
だけど状況は変わらず、少し膨らんだ胸を揉まれながら溢れる母乳を吸われ続けている。
吸いながらも時折クニクニ♡と突起を摘ままれ、その快感に身を捩った。
「クリックく……ん、あンッ♡も、だめぇ♡」
「……こっちも、出してしまいましょうか」
下に身に着けていたものを全て剥がされる。同じように脱いだクリック君の既に上を向いている雄が目に入ったが、今はそちらに意識を向けることができない。
「テメノスさん、おっぱいでイってるかわいいところ、僕に見せてください」
「んァ、あっああ、やァ……あンっあ、ああ――~~ッ♡♡」
先程とは比べ物にならない勢いで、乳首から母乳が溢れ出す。それと同時に絶頂を迎え、射精までしてしまった。
母乳のせいで私も彼も身体がベタベタで、残りの着ていたものも全部床へ脱ぎ捨てた。
「本当に可愛いです、もっといろんな姿が見たい……」
肌を伝う母乳を舐めとりながら、クリック君が言う。彼が望むのならば、どんな私だって見せてあげたい。
そういえば、今日はどこまでするのだろう。せっかくならば……とある程度のところまでを想像して、やめた。未経験なことはなんだって恐ろしいものだ。
そんな私の考えまで見透かされているのか、クリック君が私を抱き寄せた。彼の厚い胸筋に頬を押し付けながら、心臓の音を聞く。生きている。人間と変わらないじゃないか。だからロイ、いいよね?と言い訳のような言葉を頭に並べる。
すると背に回っていた手が下りてきて、双丘の奥の窄まりをするりと撫でられた。
「あッ!」
他人にそんなところを触られたことがない。自分ですら触ったことがない。
なんとなく男性との交わりではここを使うのだろうことは知ってはいたが、自分でどうこうしようと考えたことは無い。
「ここ、ヒクヒクしてますね」
しかし私の考えとは反対に、欲しがっているのか無意識にそこはクリック君の指に吸い付いている。
ぬぷ……♡と太い指が挿入ってきた。入口の浅い部分を擦るように弄られる。
すぐさま弱い箇所を見つけられてしまい、そこへ執拗に刺激を与えられてしまう。
「やッ、ァあんっああ♡」
「今日は後ろでも気持ちよくなりましょうね」
頭がどうにかなりそうだ。ナカを弄る彼の指を締め付けてしまう。
これは駄目だ、気持ち良過ぎる。だけど、もっと欲しい。
身を捩って、彼の耳元へ顔を寄せた。
「クリック君のおっきぃの、はやく……私にいれてください……♡」