がちゃがちゃ

今すぐ愛を誓いなさい

 寝間着を脱がせて組み敷いた身体は緊張で強張っていた。クリックがテメノスの胸元に手を這わせると浅い呼吸を繰り返していたので髪を撫でる。すると彼はその手を取り頬にあてながら「クリック君」と小さな声で名前を呼んでくれた。
「君の、好きにしてください。私はもう……君のものですから」
「分かりました。僕も好きにするので、テメノスさんも気持ちいいところ、ぜんぶ教えてください」
 すり、と手の平に頬ずりをする様子が愛おしく、白い首に吸い付いた。すると「あっ」と声が溢れて更に胸が苦しくなる。今はとにかくいっぱい痕を残して彼は自分のものなのだと自分自身に証明したい。
 胸元に触れていた指を滑らせて、色づいて甘く突起している箇所を撫でる。それだけで反応があって、クリックは更にそこを扱いた。
「テメノスさん、言ってくれなきゃ分かんないですよ」
 指で摘まんでくりくりと捏ねれば腰を揺らし始めていた。分かりやすい反応に鼓動が高鳴っていく。
「ん、あっ……そこ、気持ちいい、です……」
「良かった、いっぱい触りますね?」
 薄い肉を寄せて揉みながら先端を刺激し、もう片方には顔を寄せて口に含むと「ひぁ♡」と悲鳴があがった。
「それ、やら、ぁッ!♡」
「……嫌なんですか?」
 口を離すと涙目で睨まれるが怖くもなんともない。むしろ可愛いですと伝えたいところだが、ぐっと我慢する。
「うう、意地悪しないで……」
 もじ、と自身の太ももを擦りながら見つめられる。そこでクリックは白旗を上げ「降参です」と苦笑した。
「ごめんなさい、意地悪がしたいわけじゃないんです。テメノスさんの可愛いところ、いっぱい見たくて」
「……悪趣味ですよ」
「はい、僕ってこういう人間なんです。幻滅しましたか?」
 両の突起を弄りながら訊けば、すぐさま「ンんっ♡」と声が漏れはじめる。小さく喘ぎながら腰を揺らして乞う様にこちらを見上げている姿がたまらないと伝えれば、彼はどんな表情をするのだろうか。もっと知りたい。もっと今まで見ることができなかった姿を見てみたい。
「ひ、ぅ……♡幻滅なんて、するわけないじゃないですかぁ……どんな君も、あっん♡愛してますから、ぁ♡」
 きゅむっ♡と強く摘まんでやれば途端に乱れ、シーツの皴を深くしながら呼吸を荒くして善がっている。
「……僕もです。どんなテメノスさんも愛おしい。誰も知らない姿を知りたいです」
「んぁッあ、あ……ッ♡クリックくんも、一緒に気持ちよくなって……♡」
 言いながら、テメノスはおずおずと脚を開いてクリックの様子を窺っている。熱を含んだ視線を間近に感じたクリックはごくりと鳴らし、後ろ頭をがしがしと掻いた。
 今日はそこまでするつもりは無かった。だが、こうして直接強請られては抑えが効かなくなる。
「テメノスさん、あなたって人は本当に……!」
「だって……君とこうするの、ずっと待ってたから。ほら、はやく……」
 訴えるような視線に負け、クリックは既に張りつめている自身を手に取った。物欲しそうに涎を垂らしている先端を彼に触れさせると心臓がうるさくなって、本当に良いものかと不安が押し寄せてくる。
 ちらりと視線をテメノスへ向けると、こちらの考えなど分かっているかのようにふわりと微笑みを向けられた。
「私は大丈夫ですから。クリック君が……欲しいです」
 その言葉に押されヒクヒクと疼いている後孔へと先端を当てれば、キスをするように吸い付いてきた。息を吐きながらゆっくりと挿入し、ぐぷりと飲み込まれていく。
「あ、ん……ッ」
 一線を越えたことに対する感覚に酔いながらテメノスへ大丈夫かと問えば、こくこくと頷いていた。うっとりと自分の腹を撫でながら「ここに君がいるんですね……♡」と呟いている。
「平気、ですから……そのまま、おねが、い……あッあア♡」
 ゆっくりと進めたかったのに、思ったようにいかず激しく腰を打ち付けてしまう。ごめんなさいと何度も謝りながら深く抽挿を繰り返しているとテメノスの脚が腰に絡みついてきて、クリックはますます抑えが効かなくなった。
「ぁっあ、ンん♡クリックくん、好きっすき♡もっと奥、きて、おねがぃ、ぁッん♡」
「それ、ずるいです……僕も好きです、伝えきれなかった分、いま、全部受け取ってください」
 ピストンを繰り返し、互いに一つになりそうな程に肌を重ねる。このまま本当に一つになれればいいのにと願いながら、心の奥を確かめるように彼の奥を暴き続けた。するとテメノスがキスが強請ってきたので息を呑む。クリックがそれに応えればどちらのものとも分からない唾液が口の端から溢れた。
「んん……キス、きもちぃ……♡」
 くちゅくちゅと興奮材料にしかならない水音が耳に響いている。限界が近づき細腰を抱えなおすと、テメノスが手を伸ばしてきた。
「ほしいです、君のぜんぶ、受け止めますから、ぁ……ッ♡」
「はい、僕はあなたのものですよ」
「ひぅっや、ぁッあん♡あ、もぅイく、いっちゃ、う♡ァ、あ……――~~~ッッ♡♡」
 ぴゅっ♡とテメノスから欲が溢れたのが見えた瞬間、同時にクリックも身体の奥からどくどくと波が押し寄せてくるのを感じて彼のナカに熱を放った。
 
 ゆっくりと自身を抜く瞬間でさえ「ん……ッ♡」と艶を含んだ声を溢れさせているので、なるべく聞かないようにクリックは後処理をはじめた。射精の余韻に浸りながらテメノスの乱れた髪を手櫛で整えてやれば、汗で額に張り付いた髪さえ美しいのだと見惚れてしまう。「あんまり見ないで」と顔を反らされてしまったが、これは恋人である特権だとしっかり堪能することにした。
 お互い身を清めて再びベッドの中に潜り込む。夢の中へ落ちてしまいそうなテメノスを抱き寄せながら、クリックは目の前の幸せを何度も噛み締めた。