がちゃがちゃ

あなたの月まで連れてって

「声、出せましたね」
 あの後、結局3回ほど有明さんを抱いた。
 一度始まったら止められないのはお互い同じで、それを承知でやっているのだから文句を言う事も言われる事もない。
「うう、やっぱり恥ずかしいんです……大崎さんに嫌われちゃったらどうしようって、不安なんです」
「嫌いになりません。もっと聞きたいほどでした」
「そうは言いますが。やっぱり、僕が気にするというか……」
 有明さんはぞもぞと動きながら、ベッドから立ち上がった。カーテンを開け、薄暗かった部屋に大量に光が舞い込む。外に目をやれば既に陽は高く、想像していたよりも長い時間を行為に没頭していたのだと気づかされた。
「さすがの大崎さんもそろそろお腹が減ったんじゃないですか?」
「そうですね……」
「えへへ。それでは、ご飯にしましょう!」
 人を惑わせる笑顔を張り付けたまま、有明さんが再びベッドに戻ってくる。
 自分は横になったまま腕を伸ばし、彼を抱き寄せた。

「あ、そうだ」
 腕の中に収まっている有明さんが自分の首に唇を寄せる。
 何をするのかと思えば、断りなど無いまま歯を立てられ思いきり吸われてしまった。
「えへ、さっきのお返しです。でも、僕としてはもっと大崎さんの印が欲しいです……」
 じ、と物欲しそうに見つめられる。
 せっかくこちらが遠慮しているというのに。巣穴に立ち入ってしまった罰なのか、彼はなかなか逃してくれない。
 食事にありつけるのは、もう少し先になりそうだ。

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