プロンプト観察日記
【7月1日(火)】今日から日記をつけることにした。月の初めで区切りが良いのと、そろそろ次期代表の自覚を持って日々の記録を付けてほしいとイグニスから日記帳を貰ったから。とりあえず初日だし、今日はこの辺で終わる。続けられる気が全くしない。【7月…
ノクプロ
プロンプト・アージェンタムは今日も眠れない。
ここ1か月の間、プロンプトは不眠に悩まされていた。原因は分かっている。この国の王子であり自分の親友であるノクティスだ。ノクティスとは、高校生になってすぐに仲が良くなった。今では親友と呼べる間柄であるし、彼との関係に不満は無い。…無い、のだが…
ノクプロ
いただきます
俺はノクトがご飯を食べている姿が好きだ。ノクトはかっこいい。まず容姿が良い。顔は整っているし、なんだかんだで王子様で一つ一つの動作が美しい。指が長くてきれいだ。好きなものを見つけるときの目が宝石の様だ。形のいい唇から発せられる声は脳を溶かす…
ノクプロ
さいごの悪夢
その日、俺は夢を見た。どこか分からない、ふわふわとした空間に浮かんで彷徨っていた。得意のシフトも使えず、走ることも出来ず、声を出すことも出来ず、流されているだけの空間。たぶんこれは夢だと気が付くまでそう時間はかからなかった。夢と決まれば話は…
ノクプロ
ナンセンスなふたり
午前の授業が終わり、昼休みをノクトと一緒に教室で過ごしていた時のことだ。「プロンプト、ちょっといいか?」声がした方を見ると、そこには隣のクラスの男子生徒がいた。特別仲が良いわけではないけれど、選択授業が同じで時々話をする相手だ。「いーよ。ど…
ノクプロ
世界の終わりの終着点
「明日、世界が終わるって言われたらどうする?」夕日が眩しい学校の帰り道に、昨日ノクトと一緒に観た映画のことを思い出しながら言った。いきなり未知の生物が人間の世界を侵略しようとするSFモノだった。悪の親玉がこの星は俺たちのものだ、人間たちの世…
ノクプロ
Love Me Better
この春、俺は大学生になった。家と学校はそう遠くは無く、電車で2本という距離だ。1週間たった頃にはそこそこ交友関係も築いており、勉強もなんとか追いついて行っている、という具合だ。そして今は大学と家の中間の駅付近の喫茶店でバイトをしている。講義…
ノクプロ
calling you
この国では17歳になると例外無く一人につき一体のAIロボットが支給される。両親に与えられているAI達は家事や仕事を手伝っている。彼らはとても優秀で、人間が頼んだ仕事をてきぱきとこなす。料理なら一度教えたレシピは絶対に間違えない。書類整理なら…
ノクプロ
キリング・ミー
「天使だ」見慣れた部屋に突如現れた影。太陽のように明るい金髪。澄んだ青空のような瞳。少し高めの甘い声。紛うことなき天使。そう確信して発した一言だった。だがその天使は、満面の笑顔でこう言った。「残念、悪魔でした!」自分のことを悪魔だと言った男…
ノクプロ