がちゃがちゃ

理解して支配して繰り返して

 それからは、昨日できなかった分とでも言うかのように時間が許すまで身体を重ねていた。
 後背位の体勢になり、テメノスさんの腰を抱えたままヒクヒクと疼きっぱなしの窄まりを抉じ開けるように亀頭を捻じ込んだ。
 狭そうなのにすんなりと受け入れられていく。抽挿を続けながら、奥へと強請る彼の要望を叶える為に深く貫いた。
「ん、あっああ♡それ、深くて、んぁ、またイっちゃう……♡」
「いいですよ、何回でも。全部見てるので」
 奥を突くたびにテメノスさんは甘イキを繰り返し、可愛く射精している。その度にナカに収まっている亀頭も締め付けられるものだからどんどん種が絞られていく。
 もう何も出ないのではないか……と思うが、そんなことはない。
 何故ならテメノスさんは、僕を煽る天才だからだ。

「君の、おっきぃの……ナカでびくびくってして、気持ちいいのとまんない……あ、ぁんっ♡」
「すぐそういうこと言うから……。どうなっても知りませんよ」
「いい、です♡君になら、どうされたって……♡」
 それならば、と深く突く。
 すると「ひぁ♡」と甘く喘いで、ぴゅるぴゅると薄くなった精液が溢れていた。
 
 * * *

 その後は体力も尽きてきて二人でシーツに沈んだが、それでも収まらず、寝転んだまま背後からテメノスさんを抱く様にして抽挿を続けた。
 腰を抱き寄せ浅く突きながら赤くなっている首を噛む。するとナカも締まって、彼はここも好きなのだと知って嬉しくなった。
「首とか耳とか、意外と弱いところ多いですよね」
 腰から前に肩手を滑らせ、甘く尖った乳頭を摘まむ。
 ここが弱いことは以前から知っていたが、今日は特に反応が良い気がする。
「あっ♡もぅ、そんなの知らな……や、待って、あっんン♡」
 皮膚の薄いところを吸って痕を残す。
 子どものようだと彼は笑うかもしれないが、こうして彼のパートナーは自分だと自分自身に言い聞かせたかった。
 いつも互いに露出の少ない服を着ているので痕を残したところで誰かに見られるわけでもないが、こうしてじゃれあいのように戯れるのが好きだった。
「ん……、クリックくん……」
 くるりとテメノスさんが振り返る。
 どうしたのかと訊くと、顔が見たい、と言われた。
 この人は本当に、僕を操るのが上手だ。
 

「あっや、ああッん♡」
 正面に向き直り、上からテメノスさんに覆いかぶさる。
 再び両手を絡めたまま、僕を咥えて離さない窄みとその奥を亀頭で擦る。奥を抉るとテメノスさんは喘ぎながら、もっと、と強請ってきた。
「このまま、君に食べられちゃいそう……♡」
「それは……どうでしょう、否定はできません」
 鎖骨の辺りを噛むと、テメノスさんは僕の髪を撫でながら笑っていた。
「君にだったら食べられてもいいかも……その代わり、全部残さず食べてくださいね?」
「もちろんです」
 口にキスを落として、ぐ、と腰を落とす。
 ナカで締め付けられる感覚に脳が溶けてしまいそうで、何度も続けている行為なのに収まらない。
「テメノスさん、僕……ッ」
「いいから、もっと奥……はやく、きて……♡」
 彼の両手が僕の背に回る。
 ぎゅう、と強く抱きしめられて、それに釣られるように何度目か分からない射精が終わった。
 
 * * *

「テメノスさんは、なぜ僕のことを好きになってくれたんですか」
 互いに身を清め、文字通り抱き合いながら二人してベッドで横になっていた。
 テメノスさんは僕の言葉にため息をつく。何か問題があっただろうか。
「君ねぇ、まだそんなこと言ってるの?」
 白い手が僕の髪を撫でる。
 ふわふわと、ぬいぐるみに対するような扱いに少し違和感を覚えるが彼が幸せそうなので何も言わないでおこう。
「……私は嘘ばかりの人間ですから。だけど君は私を信じてくれて、いつも守ってくれた。それにどれだけ救われたか分かっていないでしょう」
「僕が、あなたを?」
「そうですよ。ふふ、その鈍いところも可愛くて大好きですけどね?」
 抱きしめられて、互いの頬が触れあう。
「君は私にとっての光です。いえ、私だけではなく……きっとこの大陸の……。だから君は君のままでいい。いつまでも私の子羊くんでいてくださいね」
 そして一瞬だけ触れた唇は弧を描いた。
「僕が光と言うのならば、あなたは僕の闇を照らす月のような人です」
「へえ、子羊くんは詩人ですね?」
「テメノスさん相手だからですよ。月は人をおかしくさせるから」
 彼の手を取って、先ほどのように指を絡ませる。
 それだけでテメノスさんの頬がうっすらと染まっており、何を想像しているのかが分かってしまった。
「……僕をおかしくさせたんですから、責任とっていただけますか?」
 絡めた指を撫でる様に滑らせる。
 テメノスさんは柔らかく微笑みながら「喜んで」と言って、もう一度二人でシーツに沈んでいった。