がちゃがちゃ

purusha

 気が付けば悟空が下になっており、ベジータがその上に馬乗りになっていた。互いに服を脱ぎ捨て一糸まとわぬ状態になっている。たった一日で、どうしてこんなことになってしまったのか。
 欲情の色を含んだ視線を全身に感じながら悟空は喉を鳴らす。ベジータは悟空の厚い胸に手を置いたかと思えば腰を少し浮かせ、自身の後ろに指を這わせていった。
「ベジータ、なにして……」
「いいから……貴様は黙って見てろ」
 んっん、と甘い声を漏らしながら、悟空を受け入れる為にベジータが自らの後孔に指を挿れ肉壁を押し広げている。徐々にとろんとした表情へと変わっていく表情を見ながら、悟空はしっかりと興奮していた。
 目の前で痴態を晒すベジータの中心は上を向いており、可愛らしく震えながら先端からはとろとろと涎を垂らしている。見ているだけだった悟空はそれに触れると先走りを纏わせながら上下に扱いていった。
「ぁっ何して……」
「だって、そんな気持ちよさそうな顔してっからさぁ……もっとすげー顔にさせたくなっちまって」
「今触ったら、ぁッだ、だめ、だァ、かかろっと、カカロット!はなせ、ぁっう、ぁッあ!」
 言いながらもベジータはしっかりと自分の指も動かしている。もう快楽を得ることにしか頭に無いのだろう。はしたない声で悟空の名前を何度も呼んでいる。
 ぴゅるるっと先端から白濁が溢れ悟空の手と腹を汚し、ベジータは力の抜けた体を傾けない様に肩で息をしていた。
「べじーたぁ、イったばっかりのところ悪いんだけど……」
 ベジータの手を掴み「次はここだ」と伝えるように昂っている怒張を握らせる。その大きさに戸惑いの色を隠せない様子だったがベジータが相手をしている男は既に同胞を抱くことしか考えていない。荒い息遣いに、ベジータも興奮を隠せなくなっていった。
 黙ったままベジータは再び腰を上げ、準備の整った後孔でとんでもない質量のソレを飲み込んでいく。先端を咥えたところでベジータがゆるゆると腰を揺らし、はっは、と声を荒げていった。
 ゆるい刺激に悟空はもどかしさが募っていく。ベジータは好い所を探しながら動いているようで、その度に目の前で小振りのペニスが揺れている。その様子に釘付けになりつつ着やせする腰を掴んだ。
「もう、我慢できねぇや」
 その一声にベジータが目を見開く。待てと制止する前に、悟空は掴んだ腰を一気に落としキツく締め付ける肉壁を容赦なく犯していった。
「ッあ、あ゛!やァ、きつ、いぃ、ッ!かかろっと、はぁ、あッん!」
「ナカ、すんげー気持ちいい……はは、なんでお前には見えてないんだろうなぁ」
「どうで、も、いいだ、ろ……ッ、ん、ンあッんん、ぁあ!」
 嬌声が響く中、ずぷずぷと何度も下から突き上げる。それに合わせるように自分の上で必死に腰を振る姿に興奮するなという方がおかしな話だ。
「今オラが、どんな顔してるか、ッ見てもらいてぇのに、ッ!……くそ、悔しいな……なぁ、ベジータ?」
「う、るさい、ぃッあ、あん!あ、ああっそこ、や、やらァっあ、あ!ッん、ふ、ァあ!」
 どちゅんっと奥を貫きながら、腰を打ち付ける。止まらない挿注にベジータは喘ぎ続けながら悟空を見下ろしていた。
 
「ずっと……、ッほんとう、は」
 あんあんと淫らな声を上げながらうっとりとした眼差しを悟空へと送る。
「貴様、と、こうなることが、ぁ……怖かったんだ、ァ、だか、ら、嫌だったの、にぃ……やぁ、あん!ン!あ、ぅ」
「なんで、怖いんだよ……」
 首を振りながら「だって」とベジータはぐずぐずと話を続ける。
「目の前にしたら欲しくなっちま、う……ッ貴様はオレのじゃ、ないのに、ぃ……ッだか、ら」
 まるでその続きを待ちわびていたかのように二人の視線が交わる。それを離さぬ様に、深く深く身体を繋げた。
「オレを見て興奮しているの、なら……、ッそれで良いと、思ったん、だ……オレだけが欲しがってるの、なんて……死んでも、認めたくなかった……」
 そんなことない。お前だけだなんて、そんなこと。それを伝えたいのに、上手く言葉にできる気がしない。
 どうにか伝わらないかと腰を振るベジータの動きに合わせてピストンを繰り返す。
「はァ、も、出る……から」
 悟空は抜こうとするがベジータはそれを許さない。見えていないはずなのにしっかりと悟空の視線を捉える姿に自分への執着を感じて、ぞくりと甘い痺れが背中を走った。
「そのまま中に出せ、ぜんぶ、一滴も残すな」
 魔法の様な言葉に全身が支配される。
 言われるがまま中で達すると、ベジータは恍惚とした表情を浮かべていた。
「そう……これが、欲しかった」
 それを聞いた悟空は体を起こすと繋がったままの身体を力いっぱい抱きしめた。
 どうせならこちらを殴りつけてでも逃げてほしいと思っていた自分が馬鹿の様だ。ここには軽蔑もなければ慈しみも無い。
 捕まったのは、自分の方だった。