がちゃがちゃ

寄する波

 あれからベジータは、定期的に悟空の性処理を行った。こちらから頼むわけでもなく、勃っていれば何も言わず自らそれを実行するのだ。初めの内はそんなことはしなくていいと断っていたが、そう言うとどことなく悲しそうな表情になっている気がして、次第に受け入れるようになっていった。
 それに、悟空自身もベジータに口淫されることは嫌ではなかった。自分からしている癖に耳まで赤くして恥ずかしそうに咥えている姿を見下ろすたびに、込み上げてくるものがあるのも自覚している。一度だけ我慢が出来ず頭を押さえつけて喉奥まで咥えさせた事があった。すると細められた目に涙が浮かんでいたので慌てて抜いて謝ったが、その日のベジータはどこか脅えたような顔をしていたのを覚えている。
 相変わらず修行中は悪態をつかれることも小言を聞かされることもある。それでも眠るまでの時間だけは違った。一体どうしたことか分からないが、これが嫌ではないのだと、むしろ求めているのだとはっきり分かる。
 
 更に時は経ち、今日も二人で同じベッドに沈んでいる。今日はただ抱きしめて眠るだけだ。なのに、抱きかかえている男がうとうととし始めた時に悟空は体の異変を感じた。
 そこで一つの考えが浮かぶ。ベジータは、悟空が想像していたよりも何もかもを受け入れてようとしている。ならば今の、この先も――、と。
 目の前の柔らかい頬を撫でるとくすぐったそうに目を細めている。それを可愛いな、と思ってしまう自分がいる。そして、お前だって言葉にできないこの感情と同じものを隠しているのだろうと問うように小さな口に自分のものを重ねた。
 男は驚いて、大きく目を見開く。明らかに動揺しており、目線があちこちに忙しなく動いていた。
「ベジータぁ……」
 甘えたように名前を呼ぶと、おずおずと腕が伸ばされてきて更に体が密着する。抱き合いながら舌を絡めているとどんどん身体が熱くなっていって、悟空の中で良くないものが沸き起こっていった。
 すっかり勃ちあがったものをベジータの太ももに擦りつけるように動けば恥ずかしそうに目を閉じたので、腰を抱えて更に深く口づける。もっと、もっと一緒に気持ちよくなりたい。
 顔を離した悟空は、ベジータの上に覆いかぶさると服を脱がし、自分も身に着けているものを床へと脱ぎ捨てていった。同胞の裸をこんな間近でしっかりと見ることは無かったが、目の前に現れた身体は美しかった。鍛え上げられたしなやかな筋肉に見惚れながら体のラインを指でなぞるとぴくんっと反応しており、その様子に思わず口元が緩む。欲しかったものはこんなにもすぐ近くにあったのに、どうして今まで手にしようと思わなかったのか不思議でたまらない。
 寒いからなのか興奮しているからなのか、つんっと尖る乳首が目に入り豊満な胸筋を両手で掴み押し上げるように揉んだ。すると肉が指に吸い付いて来て、その心地よさに夢中になってしまう。指先で先程よりもぷっくりと尖っている乳首をコリコリと引っ掻くように刺激すれば、ベジータの表情は次第に蕩けていった。
「か、かろっと」
 名前を呼ばれ、苦笑する。今二人が何をやっているのかを考える余裕はない。求めて求められて、それに応えることの何が悪い。
 揉みしだくたびにぶるんっと跳ねる胸を存分に堪能した後、唾液を纏わせた指で男の後孔を撫でる。ヒクヒクと疼き始めているのが見えて、やっぱり待ち焦がれていたのではないかと言ってやりたくなった。
 隘路を拡げるように指を押し入れ、肉壁をぐにぐにと擦る。男が善がるシコリを見つけてそこばかりを弄ってやれば、甘い声をあげはじめた。
「や、あぅ……♡」
「ここ、気持ちいいか?」
 言葉の代わりに小さく頷くいじらしい姿に胸の奥が熱くなる。かわいいと口にすれば機嫌を損ねてしまいそうなので言わないが、目一杯愛でてやりたい衝動に駆られる。
 ある程度解れたので指を抜き、先程から涎を垂らしっぱなりでぬるぬるになっている怒張を持ち後孔に宛がう。流石にベジータの表情も蕩けたものから少し険しくなり、まるで恐ろしいものでも見るかのように不安そうにしていた。
 なんとか先端だけ飲み込んでくれたが、その先へなかなか進めない。悟空は男の頬を撫でながら、なるべく優しく微笑んでみせた。
「大丈夫だから。ベジータ、力抜いてくれ」
 言えば、はあ、と息が吐かれる。その瞬間にずぷんっ!と一気に挿入すると、抱えている身体が大きく仰け反った。
「あっァん♡かかろっと、ぉ♡」
 嬌声を上げる同胞を見つめながら腰を掴み、激しく抽挿を繰り返す。きゅう、と媚びるように締め付けられながら、何度も何度も肉壁を擦る。
「はは、締め付けてきてて……搾り取られちまいそうだ」
「んっはやく♡もっと奥まで、きていいからぁ♡」
 どちゅんっ!と勢いよく奥を突けばベジータはぴゅっ♡ぴゅっ♡とアクメしており、その姿に余計に抑えが効かなくなる。
「すげ、オラのちんぽでイってる……かわいいなぁ、ベジータ」
 ついにかわいいと口にしてしまったと後悔したが、どうやら問題は無さそうだった。ベジータは喘ぎながら脚を悟空の腰に絡めてきて、より深くを突かせようと強請ってきている。
「あ、んン♡だって、ぇ♡ちんぽ気持ちいいから、ひぅ♡あッあァ♡奥にいっぱいきて、もっと、もっとぉ♡」
「ああ、そうだな、オラも足りねえや」
「や、ぁあ♡イく、またイくから、あ……――ッッ♡♡」
 媚肉をずぽずぽと犯し、カリで結腸口を抉る。すると再びベジータはぴゅるるっ♡と達して、同時に悟空も奥へと欲を吐き出した。

 行為後、汗を浮かべてぐったりとしているベジータを見て悟空はやってはいけないことをしたのだと気がついた。髪を撫でてやると目を細めて気持ちよさそうにしているが、ここまでは手を出すべきではなかった。
 起きてしまった事は元には戻らない。それでも踏みとどまることは出来るのだと、悟空は頭を下げた。
「ごめんな、ベジータ……もう、こんなことはしねぇから」
 プライドの高い同胞のことだ、きっとどこかで怒りを抱えている。恐る恐る顔を上げると、想像していたものと真逆の表情を浮かべるベジータがいた。
「こんなこと、って……何を、今更」
「ベジータ……」
 わなわなと肩を震わせる男を落ち着かせようと手を伸ばすが、振り払われてしまう。どうすべきか思案していると、起き上がったベジータは仰向けの悟空へと跨ってきた。そして吐き出したばかりで萎えた陰茎を後孔で擦る様に腰を揺らしながら「んっん♡」と甘く鳴いている。
「ここまできて、離すものか……どこにも行くな、二度と、オレを置いていくな」
「何、言って」
「いつも好き勝手にしやがって、オレがどんな思いで……」
 言い終える前にぐっと言葉を飲み込んだベジータは、ゆるゆると勃ちあがってきた屹立に向かって腰を降ろし、再び扱く様に飲み込んでいった。
「んっ……んぅ♡オレを前にして、こんなにデカくしてる癖に……ッ♡」
 騎乗位のまま奥まで咥えると膝を立て、喘ぎながら腰を振り始める。その様子に翻弄され、悟空も下から突きあげるように腰を揺らした。
「あっん♡ちんぽきてる♡奥ちんぽでいっぱいになって、ぇ、またイっちゃうぅ♡」
「あ、駄目だぁベジータ、おらも止まんね、ぇ」
「いいから♡あ、あんっ♡もっと欲しがれ、全部くれてやる♡だから、お前も……あ、ァあッ♡」
 激しく奥を突くと腰を振っている男はトコロテンしており、ぴゅっ♡ぴゅるるっ♡と吐き出して悟空の腹を汚している。悟空は体を起こすとイった反動でがくがくと震えている身体を抱え、そのまま上下させ始めた。
「あ、ぅ♡や、だめ、これ深いィ♡またイく♡ちんぽでイっちゃう♡」
「いいよ、何回イっても。ほら、物欲しそうな顔してる」
 対面座位のままキスをしながら体を揺する。連続アクメで何も出なくなったベジータはとろんとした顔のまま悟空にしがみつき、必死に与えられるものを享受しようとしている。
「オラも出そうだ、ああ、ベジータもくれるならオラも全部やらないと」
「そう、だ、オレだけなんて許さない……ッ♡ひぁ、あん♡貴様も……カカロットもぉ、全部寄こしやがれ♡」
 最奥を突けば、ぷしゅっ♡と潮を吹いたベジータが悟空へと体を預けるように凭れかかってきた。悟空もたっぷりとナカに種付けすると、見上げてきた顔に何度もキスを落とす。
 一体、これからどれだけ溺れていくのか。先のことなど、誰も分かりはしない。