がちゃがちゃ

夢で会えるよ

 目を開けた悟空は、まず一番に腕の中にいる男がどちらのベジータなのかを確認した。
 おかしな格好をしておらず昨夜寝る前の裸のままの姿であったことに安心して、悟空は同胞が起きてしまわない様にそっとベッドから抜け出した。窓からは朝日がさしており、随分すっきりと目覚めたことに自分で驚く。
(やっぱり、あの夢のせいか)
 とりあえず顔を洗おうとバスルームに向かおうとしたところでごそごそとシーツが擦れる音がして振り返れば、ぼんやりとした表情のベジータが目を覚ましていた。
「あ、起きたんか」
「んん……珍しいな。貴様の方がはやい、なんて」
 ベジータはベッドから出ることなく、先程まで悟空が寝ていた場所へもぞもぞと移動して布団を抱きしめるように引っ張っていた。その様子がまるで悟空を求めているようで、手早く顔を洗ってすっきりした後まだベッドの中で身じろいでいるベジータの上へと覆いかぶさった。
「な、なんだ……?」
 悟空の様子に驚いたのか、ベジータは両目を大きく瞬きさせている。その顔ににんまりと笑顔になってしまい、同じ布団に潜り込んだ。
「なあベジータ。やっぱりオラはおめえのこと好きだよ。でも、別に同じ言葉を返してくれなんて言わねえ。オラが言いたいから言うんだ」
「……なんのことだ」
 照れ隠しなのか、布団で顔を隠す様にしてベジータはこちらを睨んでいる。耳が赤くなっているのを見逃さない悟空は、素直じゃない男を布団の中で思い切り抱きしめた。
「べっつにー。な、オラやりたくなっちまった。シていいか?」
「どうせ、断ってもやるんだろ……」
「へへー、当たり!」
 あたたかい体から体温を分けてもらう様に抱き寄せ、顔いっぱいにキスを落とす。首筋に吸い付いた時に「痕を残したら殺す」と物騒なことを言われたが、どうせ服を着れば隠れてしまうのだから気にしない。
 もっと体の位置を降ろして胸へと吸い付き、指に吸い付く肌を堪能する。雄を誘う膨れた乳輪から尖った乳首までを舌先でなぞれば小さく震えていて、気をよくした悟空は夢中でそこを吸った。
「ん、ぅ……ッ」
 漏れ始めた甘い声を聞きながら柔らかい胸筋を揉んでいる時、あることに気が付いた。上目遣いにベジータを見ると、声はなくとも火照った顔で「なんだ」と言われたのが分かって悟空はぺろりと生乳首を舐める。
「ベジータのおっぱいさぁ、前より大きくなったよな?」
 思ったことを声にした途端、ベジータは更に顔を赤くして悟空の髪を掴んだ。
「ッな!?げ、下品なことを言うな!そんなはずは……」
「いや、やっぱり大きくなってるって!筋肉もあるだろうけど、なんかこう、えっちな感じに……って、痛ッ!!」
 ぐい、と思い切り髪を引っ張られ悟空は胸から顔を離す。そうしている内にベジータに背中を向けられてしまい、悟空は弱々しい声で「べじーたぁ……」と呼んだ。
 しかしすっかり機嫌を損ねさせてしまったようで、何を言おうと反応がない。こうなってはどうしようもないのを知っている。
 しかたがなく、悟空は昂った熱を自分で処理した後は大人しく服を着て、ベジータへの挨拶もそこそこにカプセルハウスを後にした。

 * * * * * * *

 あれから数日、悟空はベジータに会っていない。例の夢も見ていない。普段からこちらから会いに行かない限りはベジータと顔を合わせることもないので、会いたければこちらから出向かなければならない。だけどそういった気分にはなれず、畑仕事が忙しく落ち着いて修行の時間を作ることも出来ず、こうして広大な畑の真ん中でひとり佇んでいた。

 いつの間にか太陽が真上に来ており、流れる汗を拭う。腹が鳴り始めたので弁当を食べようとしたところで、悟空は今朝の出来事を思い出した。
 どうやらCCが協賛しているテーマパークが完成したらしく、今朝からブルマがそのプレオープンに悟天とチチを連れて行ってくれているのだ。トランクスも一緒に行っているが、ベジータは興味が無いと家に残っているらしいということだけ聞いている。それを知った悟空は畑仕事があるという理由と留守番も兼ねて自分から残ることを提案した為、今日の昼ごはんは用意されていない。昨日の夕飯の残りがあるので家に戻れば何かしら食料はあるだろうが、どうにも体が動かない。
 そして陽が傾きかけた頃、真面目に働き家に帰ると当たり前だが部屋の中は真っ暗だった。ブルマ達は近くのホテルに一泊すると言っていたので今日は本当に一人きりだ。久しぶりに家で一人となり、悟空は食事もそこそこにシャワーを浴びると頭をタオルで拭きながらソファにどかっと腰かけた。修行をすればいいのに、頭の中の邪念を払えず腕を組む。
 きっとベジータも、今頃ひとりでいるはずだ。どうしよう、今から会いに行ってもいいだろうか。いつもはそんなことを気にしないのに、先日のことがあるからか気を張ってしまう。
 そういえば、いつだったか悟天が学校で習ったらしい「思い立ったら吉日」という言葉の説明をしていたことを思い出す。それを自分に言い聞かせ、悟空は額に指をあてた。

 * * * * * * *

 辿り着いた場所は薄暗いが、ベジータの気を感じるのでブルマ宅のどこかであることは間違いないだろう。いつもなら目的の人物のすぐ近くに移動することが出来るのに今日は気が急ってしまったようで、座標が少しずれてしまったようだ。
 さてベジータを探そうと辺りを見渡す。ソファやテーブル、観葉植物などが置かれている広めのリビングのような場所は見覚えがある。奥にある扉の向こうがベジータの寝室のはずで、その方向から確かに彼の気を感じた。
 少し早いがもう寝ているのだろうかと思いつつ扉に近づくと、その向こうからくぐもった、だけれど確実に熱を含んだ声が聞こえた。
 
「ぁ、あっあぅ、んんッあ、ぁ……ッ、かかろっとぉ……」
 その名を呼ぶ意味を考えて、悟空は胸が高鳴っていくのを感じた。家主にばれないように、そっと扉を開ける。ここと同じく薄暗い室内を覗くと一つの影がベッドの上で身じろいているのが見えた。ごくりと生唾を飲み、その様子を窺う。徐々に目が慣れていき、そこで何が行われているのかが明確になっていった。
 そこには、服を脱ぎ捨てベッドの上で乱れる同胞の姿があった。前には触れず、いつも悟空がしているように胸を揉むように触れ、後孔に入れた指は中を解す様に動かしている。イイ位置に触れたのか体をびくびくと震わせ腰を跳ねさせながら、より快感を求めてあんあんと甘く喘いでいた。恐らく絶頂を繰り返しているベジータの先端はとろとろに滴っており、涎を垂らしている。最後に小さく「カカロット」と呼ばれたのが聞こえた直後、ベジータはベッドに体を沈めて呼吸を落ち着かせようと胸で息をしていた。
(……こんなの、って。あんまりじゃねえか)
 拒否をしたくせに。好きだとは言わないくせに。でも実際は、求めてやまないくせに。会わなかった間、同じように想い焦がれていたくせに。
 悟空はバンッと大きな音を立てて扉を開けると、こちらに気がついたベジータがぎょっとした顔で飛び起きた。それに構わず真っ直ぐベッドへと向かい、乱れたままの体を上からシーツに縫い付けるように押し倒した。
「ベジータ、オラに言うことないか?」
「な、なに……、貴様ッ急に来たくせに、勝手なことを、ぁッあ、ん!」
 ぐっと顔を近づけ、耳元に顔を寄せる。耳を甘噛みしながら訊けば、下で藻掻いていた四肢は大人しくなっていった。
「オラはベジータのこと好きだ。前にも言ったよな、伝えたいから言うんだって。だからベジータが言いたくないなら、それで良いと思ったんだ。なのに、なのに……」
 肩に噛みつくと悲鳴のような声が聞こえて、悟空ははっとして歯形の残る傷口を舐めた。一体、どうしてしまったというのだろうか。
「ベジータ……おら、は。おめえの前だと自分じゃなくなるような気がするんだ。どんどんおかしくなってくる。……どうすればいい、教えてくれ」
 手を胸に這わせ、いやらしく尖った胸の突起へと触れる。ぴんっと指で弾くだけで「ひぁ」と艶声があがった。
「さっきもここ触って、後ろ弄ってたもんな。オラにされてるみたいに。……なあ、オラにおっぱい触られるのとちんぽ突っ込まれるの、どっちが好き?」
 夢の中の彼に訊いたことと同じことを問う。完勃ちした乳首をぺろりと舐めながらヒクヒク疼きっぱなしの媚穴の中を太い指で犯し、反応を窺った。
「知るか、そんな、こと、ぉ……ッん、んぅ、あ、アあ、ぁッあ……♡」
 ぴくんっと腰が浮いたのが分かった。自慰の直後だからなのか、いつもより声が蕩けていて体の反応もいい気がする。ちゅう、と強く胸を吸ってピンク色のエロ乳輪を舐めれば善がる声に包まれた。
「あぁッ、ひ、ぅッあ、あっんッ♡」
 媚びる声に誘われるように、同時に淫穴の中も乱していく。既に場所を熟知している前立腺を押しつぶす様に触れると、無意識なのか腰が揺れ始めていた。
「オラにおっぱい舐めらながら後ろずぽずぽされるの、大好きだもんな」
「やぁっ、ちが、ぁ、あん♡ンん、ぅ、カカロット、そこ、は、ッいや、ァっあア――~~~ッッ……♡♡」
 そう言うもビクビクと震えながらメスイキを繰り返している。息を乱したベジータの口から涎が垂れており、それを吸う様にキスをした。わざとらしく音をたてながら舌を絡ませると背に腕がまわって来て、もっと、と強請る様に深く口づけられる。しばらくして顔を離すと二人の間を糸が伝い、ベジータはそれを名残惜しそうに見ていた。

 口元を拭ったベジータは、とろんとした顔で悟空を見上げている。何か言おうとした瞬間、ベジータから先に口を開いた。
「ッ貴様が、オレをこんな風にして、ぇ……ッ♡お、おかしくなったのは貴様じゃ、ない、オレの方だ。どうしてくれる、ッこんな……こんなになっちまって……ッ♡」
「……、ベジータ」
 悟空の目の前で、あの日の夢の様にベジータが自分の胸を弄り始めた。舐めてほしそうに膨れた片方のぷっくり乳首はコリコリ♡と引っ掻き、もう片方のエロ乳首も指先で摘まみながら先端をシコシコ♡と擦っている。
「ぅ、ぁああっん♡貴様が変な夢の話をした時から、ずっとぉ、んンっ♡きもちいぃの、止まら、なくて、ぇ……ッ、あんっ♡責任、取りやがれぇ、……んぅ、ッ貴様のせい、だぞ……♡」
 以前からベジータはそこを触られるのが好きではあった。が、今はそれ以上に反応がよくなっている。やはり勘違いなどではなく、彼の胸は以前よりも感度が上がっていて形も変わっている様に思えた。
 雄を誘うために、悟空に触れられるために主張してくる両の胸へと触れ先端をきゅむ♡と強く引っ張れば、それだけベジータは善がり声をあげて自身の身体の先端からぴゅっ♡ぴゅっ♡と潮を吹いていた。
「ここだけじゃ、足らな……ぃ。こっちも、はやく……♡」
 足を開き、その奥の既にとろとろになってヒクついている縦に割れた場所を指で広げ見せつけてきた。先程まで悟空の指が入っていたからか、ちんぽを求めてくぱくぱと開閉している。
 悟空は無言のまま服を脱ぎ捨て、雄を待ち焦がれている場所へ怒張を押し当てる。ずぷ……と先端が入り少し腰を揺らすと、前立腺へ触れたのかベジータは「ァあッ♡」と嬌声を上げた。
「あ、アっあんっんぁあッあ♡ちんぽ来た♡ちんぽ、もっとぉ♡かかろっとのちんぽ♡もっと、ッ欲しいぃ♡」
 どちゅ♡どちゅ♡と欲望のまま腰を打ち付ける。すっかり悟空のちんぽの形を覚えてしまい吸い付いて離れない媚肉に締め付けられ、悟空は堪らずあつい吐息を漏らす。
「ッもう一回、聞くけどさ、……はぁ、オラにおっぱい触られるのと、ちんぽ突っ込まれるの、どっちが好き……?」
「分かんな、ッいィ♡ぁあっ、んンっ♡ちんぽもぉ、おっぱいも、ぉ♡どっちも好き、ぃ、あぁッあ♡」
「そっかぁ、おらも、おっぱい触るのもちんぽ突っ込むのも、どっちも好きだな」
 奥を突きながら乳輪を擦って乳首をきゅむっ♡と抓る。するとメスイキが止まらないベジータはより悟空を締め付け、種を強請るように身を捩った。
「はァっあ、もっと奥に、ィ、ッんん、ちんぽ欲し、ぃ♡ん、ぁアッ♡ちんぽちょーだい……ッ♡」
「ああ、オラももう、出そうだ……」
 目の前で乱れている姿が夢の中のままで、悟空はこれが夢か現実が区別がつかなくなってくる。
 それでも本能には勝てず、媚びるように腰を振って喘ぐ同胞の腰を抱えなおすと確実にイイ所を擦り続けながらずぷんっと最奥へ挿入した。そのまま注挿を繰り返し、ちんぽへ媚びる肉壁をハメ続けた。
「ベジータぁ、これからも、ッ好きだって言ってくれなくていい、から……だから、オラのこと見るのは、やめないでくれ、……ッッ」
「んンっぅ、あ、ああっぅあ、ァあ♡あ、あんっぁ♡貴様ばっか、り、勝手に、ぅ、ぁッあ、ああ――~~~ッッ♡♡」
 悟空はびゅるるるッと勢いよくナカで射精すると、汗で乱れたベジータの髪を指で解き整えてやった。ベジータも達したようで、何も出ていないが腰を浮かせて震えている。
 繋がったまま上から抱きしめると何も言わず抱き返され、悟空はそれに甘えるかのように首筋に顔を埋めた。

「オラ、自分勝手だったな。おめえのこと、こんなにして。なのに好きって言ってほしいなんて……」
「……そうだな。気が付くのが遅いんだ、貴様は」
 ちらりと表情を窺えば思ったよりもそれは穏やかで、悟空は安堵すると見慣れた額にキスを落とす。
 ナカに入れたままだったものを抜くと、ぐぽ……と音を立てて出したものが溢れてきた。悟空はそれを片付けようと拭くものを探しにベッドから降りる。いつの間にか自分にとって勝手知ったる場所になっていたのだと、少し浮かれた気持ちになってしまう。
 その背を見送ったベジータは、悟空のにおいが残ったシーツを引き寄せながら天井を見上げた。
「言葉にするのは簡単だ。だが、それを失うのも簡単なんだ。それを分かっているから、オレは……」