夢で会えるよ
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後には戻れない
広大な農場の真ん中で、悟空は誰にも見られていないことを確認して陽の光を浴びながら修行をしていた。
農作業の合間に行うトレーニングはいつの間にか悟空の日課になっており、作業服から道着に着替えて汗を流している。何もない崖の方角へ向かって軽く気弾を飛ばしてみると思ったよりも力が入ってしまい、地面に大きな穴が空いてしまっていた。それに気が付いた悟空は慌てて駆け寄ると膝をつき穴の中を覗いた。
「やっべえなー、またチチに怒られちまう」
修行をしているだけでも咎められてしまうのに、畑に穴を空けたとなればどうなってしまうのか。穴を塞いでばれないようにすべきかと考えたが、想像していたよりも穴は深く人間の大人が何人も入れそうな深さであった。覗き込んだ先は暗く、何も見えない。近くにあった岩を落としてみても吸い込まれていくだけで何も聞こえてこない。どうしたものかとしばらく覗いていると、中から風の通る音が聞こえてきた。
(この穴……どこかに繋がってるのか?)
まるでこちらを誘うような風音に興味を引かれた悟空は立ち上がって大きな伸びをすると、迷うことなく穴の中へと入って行った。
穴の中にゆっくりと降りていくと少しずつ目が慣れてきて中の様子が分かるようになってきた。先に進めば進むほど中は広くなり、これがただの穴ではないのだと悟空は理解する。
はじめはただの茶色い土色だけだった景色が一瞬明るくなったかと思えば一面カラフルになったり、突然家具らしきものが現れたり、また暗くなったりと常識では考えられない空間へと変化していく。
(けっこう降りてきたけど、全然先が見えねえな……)
ぼんやりと落ち続けていると、突然香を焚いたような匂いに包まれる。すると徐々に意識が遠のいていき、悟空は穴の中を落下しながら眠りに落ちていた。
* * * * * * *
「――おい、いい加減に起きろ!」
大きな声とガンッと勢いよく横腹を蹴られた感覚があり、意識を取り戻した悟空は小さな悲鳴を上げて飛び起きた。いつの間に穴を通り抜けていたのか、辺りは甘いような香りが漂う水彩絵の具で塗りたくったような不思議な色合いの森の中だった。
痛む横腹を押さえながら辺りを見渡していると、視界の下の方から「どこを見ている!」と強気な声が聞こえてきて視線を下げる。見下ろした先には、見知ったどころではなく昨日も会ったばっかりの男が立っていた。
「ベジータ!」
この不思議な空間で知っている存在に出会えるとは思っておらず、悟空はつい喜びに溢れ笑顔になった。
しかし名前を呼んだ相手は怪訝そうな顔をしており、訝しむ様に悟空をじっと見ている。
「どうしたんだよベジータ、そんな顔して。ところで、ここどこだ?オラ、畑にあった穴に落ちたらここに来ちまって……」
「貴様、なぜオレの名前を知っている。どこから来た」
何を言っているんだと返そうとして、悟空は息を呑む。悟空がベジータと呼んだ男は確かに顔や声はベジータそのものだったが、格好がまるで違った。
まず、いつもの戦闘服ではない。それだけではなく、悟空が幼少時にブルマ達と旅をしていた時に出会ったウサギ団の一員がつけていた黒く長い耳が頭についていた。服もブルマがウサギ団だと疑われた際に身に着けていた露出の高いものに似ている。
しかしブルマが着ていたものは胸から尻までの肌以外を露出させたようなデザインだったが、目の前のベジータが着ているものはその逆だった。肩や腕、足はエナメルのような素材で覆われており、胸から股間までが露出されている。首元は襟、手首はカフスを身に着けており、両太ももの間にある大事な部分はほぼ紐のような面積の狭すぎる黒い布を穿くことでギリギリ覆われていた。そして意外と柔らかいことを知っている豊かな胸筋にある二つの先端は黒いハート形のニプレスをつけているが、サイズが小さい為ぷっくり膨れた少し大きめの乳輪がはみ出てしまっている。いやらしく尖った乳首も布を押し上げていて、まったく隠せていない。
「おめえ、なんちゅー格好して……」
目の前に実在するとんでもない姿に驚くあまり、悟空はわなわなと震えてあられもない格好をしている両肩を勢い良く掴む。その手を払うことなく、ベジータは上目遣いのまま睨み上げてきた。
「貴様こそなんだ、そのおかしな格好は。そして質問に答えろ。なぜオレの名前を知っている、上の世界から来たのか?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!上の世界ってなんだよ。それに、そんな一度に訊かれても……」
じりじりと詰め寄って来るベジータの気迫に押され悟空は思わず後ずさるが、見れば見るほどとんでもない格好だと凝視してしまい昨夜の彼との睦事を思い出してしまう。その結果として意図せず中心に熱が集まってしまい、あっさりとベジータにそのことがバレてしまった。
「お、おい!何故こんな時に勃起させてるんだ!」
「いやあ、昨日のこと思い出しちまって」
腕で真っ赤になった顔を隠しながら、今度はベジータが後ずさる。その反応がよく知ったものだったので安堵感を覚え、ついへらりと笑ってしまった。
「昨日ってなんのことだ、オレは知らんぞ!」
「ええー。昨日も一昨日もその前も一緒に修行して、その後えっちしたじゃねえかぁ」
自分から上に乗っかってきて尻の穴でちんぽ咥えながら一生懸命に腰を振って喘ぐ姿が可愛かった。そう伝えれば赤かった顔は今度は青ざめていき、事実を伝えただけなのに可哀想になってくる。
「貴様とオレが……そんなはずは……」
顔を覗き込めば今にも泣きだしそうな程に視線が泳いでいた。明らかに動揺している男の姿に悟空はどうしたものかと後ろ頭をがしがしと掻く。
「よく分かんねえけど、おめえとオラが知ってるベジータは違うんだな」
元気づけるつもりで頭を撫でた、その時だった。ベジータの肩がふるりと震えて驚いたようにこちらを見上げてきたかと思えば、突然その場にぺたりと座り込んでしまった。
心配した悟空がその場に屈むが、ベジータは動かない。ぺちぺちと頬を叩くとやっと顔を上げてきたので笑ってみせると、突然抱き着いてきてキスをされた。
「お、おいベジータ……!?」
「んぅ、ン……ッ♡」
しっかりと両腕を首の後ろに回してきたベジータと悟空の体が密着する。舌をねじ込まれ、くちゅくちゅと卑猥な音が聞こえてきた。バランスを崩した悟空が尻もちをつくとベジータは膝の上に乗り上げてきて、勃起したままだったモノに同じものを擦り付けるように押し当てられる。布越しのもどかしい感覚だが気持ちが良く、悟空は逃げる気にはなれなかった。ベジータの腰が揺れていて今すぐにでも貫きたい衝動に駆られるが、状況を飲み込めないままではこれ以上踏み込めず、なんとか自分を抑え込んだ。
しばらく濃厚なキスを交わした後、二人は糸を引きながら顔を離す。目を蕩けさせたベジータが腕をまわしたまま悟空に訊ねてきた。
「は、はァ……ッき、貴様。オレに何をした?」
「そんなのオラが聞きてえよ!ベジータこそ、なんで急に……」
口元を拭うと、悟空の懐から何かが転げ落ちていった。目で追うと、それはここに来る前に収穫した一本の人参だった。収穫したものの形が歪でサイズも小さく未熟なままだったため、出荷せず家に持ち帰ろうと思っていたものだ。落ちた人参を拾い上げ土を払っていると、ベジータの息が荒くなっていることに気が付いた。
「お、おい。大丈夫か?」
「ぅあッ、や、め……ッそれ以上、近づけるな、ぁ!」
人参を持ったまま肩に触れるとびくびくと震えはじめ、そしてベジータの中心が張り詰めて布に染みを作っていることに気が付いた。更には乳首も先程よりピンッと尖り、乳輪もピンクに色づいて誘うように膨れている。見るからに様子がおかしいが、触れようとしてもイヤイヤと首を振る。落ち着かせたいのに何も出来ないでいると、悟空の膝の上に乗ったままのベジータがもじもじと身を捩りながら両胸のハート型の小さな布をぺろんと剥がした。
「ベジータ、なにして……」
声をかけても聞こえていないのか無視しているのか、ベジータは手を止めない。現れたピンク色の生乳首は卑猥に勃起しており、悟空が見ている前でコリコリと引っ掻く様に弄り始めた。
「……あ、ぁッあぅ、ここ擦れて、ぇ、だめぇ……~~~ッッ♡」
痴態に目を奪われた悟空は堪らずベジータの腰を掴み強く抱き寄せると、勃起乳首を弄る手を退けさせて揉みしだいた。
「や、ぁんッ!」
もにゅ、と手に吸い付いてくる肌は知っている男のものと変わらない。それが嬉しくて目の前の突起に舌を這わせ、ぺろりと舐めながらもう片方も指の腹でシコシコと扱く様に摘まむ。
「ベジータ、オラにこうやってされるの好きだもんな」
「ッんん、……そんな、の知らな、い、好きじゃないィ……♡」
そう言いながらも乳首はビンビンに尖ったままで、触ってほしそうに上を向いている。強く引っ張ってやると「ひぁん♡」と甘い声があがった。
「やっぱり、こっちのベジータもおっぱい触られるの好きなんだな。さっきからずーっと腰揺れてんぞ」
「ちが、うぅッあ、あんっ♡ひぅ、ああ゛ッあ、あ、ぁ〜〜~ッッッ♡♡♡」
ちゅう、と強く吸うとその刺激で大きく仰け反ったベジータはがくがくと震えながら射精していた。べとべとになった下着をずらしてやると、可愛らしい小振りの萎えたペニスがぷるんと顔を出す。
「あーあ、汚れちまったな?」
言いながら引き締まった形のいい尻を掴み、太い指で後孔を撫でる。すると挿入を待ちきれないのか、媚びるようにヒクヒクと疼いていた。快感に耐えきれないベジータは悟空の背に手をまわして、しっかりと抱き着いている。
よく知っている方のベジータとは何度もセックスをしているが、ここまで積極的だったことはあまりない。行為中に声もあまり出さない。だけど目の前のベジータは様子が違う。何が彼をそうさせているのかと考えていると、一つの考えに至った。
「なあ、これのせいなんか?」
悟空はベジータの淫穴に指を入れつつ地面に置いていた人参を手に取り見せつける。するとあからさまに様子が変わり、人参から顔を背けた。
「や、それ、こっちに近づけるな、ぁ……ッ!」
ふるふると震えながら腰を揺らす姿が可愛くて、駄目だと思っているのに加虐心に駆られる。ベジータの目の前へ差しだす様に人参を持っていくと、それだけで顔をとろんと蕩けさせていた。
「なあ、言ってくれなきゃ分かんねえよ。ベジータもこのままじゃつれぇだろ?」
つぷり、と第一関節分だけ指を入れる。ぐにぐにと入口を解していると、ベジータは悟空の肩に額を擦り付けながら荒い息で答えた。
「おれ、は、ッぁ、んン♡人参の匂いを嗅ぐだけでおかしくなるん、だ……だから、も、それ以上やめ…………ッ!?」
聞き終える前に悟空は片手で人参を半分に折ると、少しだけかじって口に含んだままベジータへと口付けた。
「なっ、やめ、ぁッん、んン~~~……ッッ♡♡」
そのまま押し込むように口移しすると、与えられたものをちゃんと飲み込んだベジータはどんどん肌を熱くさせていった。
「はッ、ああ、や、あ♡きさま、なにして、……♡」
「匂いだけでああなるなら、食べたらどうなるかなって思ってさ」
入れていた指の本数を増やしながらどんどん奥へと進ませ、締め付けてくる肉壁を押し広げていく。途中でこちらの知るベジータと同じ位置に彼の好きな所を見つけて、ぐにぐにと潰しながら可愛がってやる。
「くそ、ぅあっあ♡ンんっぁ、っあん♡やだ、そこっいや、ぁッ!」
「嘘つくなって。ばればれなんだからさぁ」
潤滑剤も何も使っていないのに、ぐぽぐぽと音が鳴る程にナカが濡れているのも人参の効果なのだろうか。
悟空のちんぽを迎える準備をしている淫穴を弄りながらコリコリと硬くなったエロ乳首を再び舐めて強く吸ってやると、それだけでぴゅっと潮を吹いていた。
「はは、やっぱり気持ちいいんだな?」
羞恥で真っ赤になっている顔にいっぱいキスを落としてやると、甘えるようにすりすりと肌をくっつけられる。
「う、うー……♡好き、おっぱい吸われながらぐりぐりされるの気持ちいぃから好き、ぅ、もっと舐めて……♡」
言われた通り大きくなった乳首を舐め回し強く吸いつくたびに、喘ぎながら仰け反って連続でメスイキしていた。
「ぁ……もぅ、だめ♡ちんぽ欲しい♡はやく、ぅ、ちんぽ欲しいぃ……♡」
――もう、ここがどこかなんてどうだっていい。
こちらを惑わせてくる目の前の発情している男を、満足いくまで鳴かせたかった。