君みたいに笑えなくても
カミュは宿の部屋へとイレブンを招き入れた。明かりが点いていない部屋は真っ暗で何も見えない。
部屋の扉を閉めるとすぐにイレブンが抱きしめてきて、カミュは先ほどの男から与えられていたのは恐怖だったのだとやっと気が付いた。泣きたくなるのを堪えながらイレブンを抱き返す。するとすぐにキスで応えてくれるものだから、カミュは何もかも分からなくなった。
「お前は、オレとこういうことはしたくないんだと思ってた……」
小さな声で素直に告げると、イレブンは首を横に振っていた。
「そんなわけないよ。ただ、一度知ってしまうと我慢ができなくなりそうで、君を手放せなくなりそうで、ずっと気が付かないふりをしてた。なのにカミュが色仕掛けなんかしてくるから……」
色仕掛けとは、以前イレブンの部屋で二人きりになった時のことを言っているのだろう。改めて口にされると恥ずかしくなってしまい、カミュは口を噤んだ。
「でも、さっきの、その……君が他の人に触られているのを見て、やっぱり駄目だなって思ったんだ。カミュに触れて良いのは僕だけなのにってさ。子どもみたいだよね」
「……いいんだ。オレがお前の気も知らずに、勝手に一人で突っ走ってただけ、だから」
「ううん。もっと君の気持ちを理解すべきだった。遅くなって、本当にごめん」
暗闇に慣れた目はしっかりとイレブンを捉えることができている。もう一度キスをすると、言葉にしなくても全部伝わるような気がした。
二人して大きくはないベッドにキスをしながら雪崩れ込む。ぎしぎしと悲鳴を上げているが今は気にしている場合ではない。
カミュはあっという間にすべて脱ぎ終えているのにイレブンがもたもたしているので、それを手伝ってやる。ベルトの多い服は大変だなと鼻で笑うと「いつもはこんなじゃないんだ……」と拗ねた口調で返ってきた。そういうところも可愛くてたまらないのだ。わざと中途半端に脱がせて深いキスをしてやれば、我慢ができなくなったのかシーツに縫い付けるよに押し倒されてしまう。
「本当に、いいんだよね」
「今更なんだよ。オレがどれだけこの時を待って……」
余計なことまで口走ってしまいそうで、カミュは慌てて口を閉じた。イレブンは不思議そうにしながらも早速胸へと触れてきた。自分とは違う感触に、びくりと腰が跳ねてしまう。
「カミュのからだ、なんか凄くえっちだ」
「ん……ぜんぶ、お前のせいだからな……ッ♡」
初めは胸を揉まれているだけだったが、顔を下げたイレブンはぷくりと膨らんでいる乳首をぱくりと口に含み、そのまま舌で弄りはじめた。膨らんだ乳輪をねっとりと舐められたり勃起乳首を舌先で突かれたりを繰り返され、それだけで腰が揺れては声が溢れてしまう。
「や、あぅ♡ん、ぁんッ♡」
「かみゅ、おっぱい気持ちいいの?」
「ひぅ、気持ちぃ……♡イレブンに触られてるとこ、ぜんぶ気持ちぃ♡あ、あん♡」
ちゅう、と強く吸われてカミュの身体はびくびくと震えている。その姿に気をよくしたらしいイレブンは顔を上げるとカミュの下半身へと手を這わせはじめた。
触りやすいようにカミュは大きく脚を開き、ひくひくと疼く窄みを見せつけるように指で拡げて見せた。
「はやく、ここに欲しい……いれぶんが、欲しい♡」
「カミュ、君って本当に……。ごめんね、先に謝っておくから」
言い終えるとイレブンは穿いていた服をすべて脱ぎ捨て、すっかり勃ちあがっている怒張をカミュの後孔へと押し当てた。はじめて見たイレブンのそれを、カミュはまじまじと見つめる。
(おっきぃ……♡あれを、今からオレの中に……♡)
想像するだけで腹の奥がきゅん♡と疼き、カミュは「はやく♡」と腰を揺らす。するとがっしりと力強く腰を掴まれ、再び「ごめんね」と囁いたイレブンは一気にカミュへと挿入した。
「あ、アあァっん♡」
ばちゅんっ♡と奥を突かれ、カミュはそれだけでアクメしてしまった。ぴゅるっ♡と溢れた熱が腹にかかり、それを見る間もなくイった直後の身体を激しくピストンされ、はしたなく喘いでしまう。
「や、奥すごい、きもちぃ♡イレブンのちんぽ♡ちんぽで突かれるのきもちいい♡イく、またちんぽでイっちゃう、ぅ♡」
カリ高ちんぽで入口の浅いところを擦られて、その度にカミュの腰が跳ねてしまう。そうしてると今度は最奥を目掛けて激しく奥を突かれ、止まらぬ抽挿から耐えるようにシーツを握った。
「はァ、かみゅ、僕もイきそうだ……ッ」
「いい、いいからァ♡もっといっぱい奥突いて、ぇ♡」
そう言った瞬間、どくどくと奥へたっぷりと種付けされてしまった。しかし、これでは足りない。もっと、と強請る様に肉壁で収まったままのちんぽを締め付けると再び硬度を持ったそれは、休むどころか先程よりも凶悪なほどに質量を増してカミュの最奥を突いてきた。
「ッあ、あん♡またちんぽきたぁ♡」
「うん、もっといっぱい気持ちよくなろうね」
言いながら、イレブンは挿入したままゆるく腰を揺らしながらカミュの胸へと手を伸ばした。そしてピンク色に染まっているぷっくり乳首をきゅむっと摘まむと、そのまま指先でコリコリ♡と扱き始める。
「あぅ、ちくびコリコリってしちゃだめっだめぇ♡そこ、一緒にさわっちゃ、や、やだァ♡」
「なんで、だって気持ちいいんでしょ?」
「気持ちよすぎてェ、またイく、イっちゃうからぁ、あ……ッッ~~~♡♡」
乳首を弄られながらとちゅっ♡とちゅんっ♡と浅い部分をちんぽで擦らているカミュは甘イキを何度も繰り返す。ぴゅっ♡と欲を吐き出した可愛らしいペニスはくったりとしており、肩で息をしながらかみゅは荒い呼吸の中イレブンの名前を呼んだ。
「いれぶ、ん、ッひぁん♡もぅやら、ァ♡あ、あんっ♡あ、イくのとまんない、ィ♡」
「かわいいね、カミュ……だって、君がずっと離してくれないんだよ、今もすごく締め付けてる」
「だってぇ、そんなの……あ、ンん♡」
イレブンは胸から手を離すと大きく覆いかぶさって来て、先程よりも深く貫いてきた。カミュは腕を伸ばして広い背にしがみついて、さらには脚を絡ませる。与えられる快感をひとつも逃したくはない。
「もっと奥、きて♡イレブンのちんぽで、ぇ、いっぱい突いて……ッ♡」
ちんぽに媚びる身体は勝手に締め付けてしまい、イレブンは苦しそうに眉を寄せるとカミュに口付けながらばちゅんっ♡と奥を突いてきた。
「あ、あァっあん♡奥、いれぶんでいっぱいにして♡ひ、ぁン♡今まで我慢してたぶん、オレでいっぱいイって♡」
「うん、ぼくも止まんないや、かみゅが悪いんだからね。君がこんなにえっちだったなんて知らなかった」
「そんなの、いれぶんに喜んでほしくて、ぇ♡あっあん♡あ、アぁ、あッ♡いっぱい抱いてくれてうれしい、もっとちんぽ欲しい♡ンん、ァん♡いれぶんの好きにしていいからァ♡あ、アあぁ……ッッ♡♡♡」
何度も突かれ、カミュはぷしゅっ♡と潮を吹いてしまう。イレブンは止まらず、そのまま一際奥を突かれると同時に再び種を注ぎ込まれた。
(おなかのなか、いれぶんので熱い♡ほしかったもの、ぜんぶ……やっと……♡)
絡めていた舌を離して目の前の恋人の顔を見る。欲にまみれた表情がこちらを見つめているのを確認したカミュは、汗が浮いた上下している背を愛おしそうに撫でた。