がちゃがちゃ

イキノネ

 しばらくすると、タオルで髪をがしがしと拭いている悟空が寝室に戻ってきた。てっきりもう片方も一緒かと思ったが戻ってきたのは一人だけで、自分のベッドの上で瞑想中だったベジータは顔を上げ声をかけた。
「もう一人はどうした」
「なんか腹減った~って食堂に行っちまったからオラだけ戻って来たんだ」
 隣に腰かけてきた悟空の髪の拭き方があまりにも雑だったので、丁寧に拭いてやろうとベジータがタオルを奪う。視界を覆う様に上からタオルを被せると、髪の毛の先から滴る水をタオルが吸い込んでいった。
「貴様は行かなくて良かったのか?」
 上気した肌を見ていると体が疼きそうになり、ベジータは自分を誤魔化す為に毛量の多い頭を力任せにがしがしと拭いていく。
「ああ、だって今日は三人で寝るから二人っきりになれねえじゃん。だから今しかないかなって」
「今しか、って……」
 一瞬のうちに悟空にタオルを奪いとられ、そのまま床へ投げ落としたのが見えた。ほとんど渇いていた黒髪が現れてベジータがそれに意識を取られている隙にシーツに縫い付けられてしまう。
「おい、貴様なにして……ッ!」
「たぶん、もう一人のオラはしばらく帰って来ねえからさ。な、ちょっとだけ……」
 上から体重をかけられ、絡ませた手は抑えつけられ、唇を塞がれる。無遠慮に入ってきた舌に驚き身を捩るがうまく力が入らず抵抗できない。
「ん、ぅあッ、ンん……♡」
 声が漏れ始め、口の端からだらしなく涎が垂れる。それを舐めとった悟空はどこか上機嫌な様子で目を細めると顔いっぱいにキスを落としてきた。
「はァ、……ベジータぁ、いつもキスのとき気持ちよさそうな顔してるな?」
「うるさ、ぃッふぁッあぅ、んぅ……ッ♡」
 再び舌をねじ込まれ頭がぼんやりとしている内にあっという間に着ていたものを全て剥がされてしまい、悟空も最後の一枚を脱ぎ捨ててベジータの胸へと手を這わせていた。
 この時二人は、しばらくするともう一人の悟空がこの部屋に戻って来ることなど忘れてしまっていた。

 無骨な男の手がベジータの胸筋を押し上げるように揉み、太い指がぷくりと膨れた乳輪をなぞっている。そしてコリコリ♡と生乳首を扱く様に弾き、もう片方を口に含み舌で転がしたり吸ったりを繰り返していた。
「あっ♡あんッひぅ、そこっコリコリしちゃ、だめ、ぇ♡あッぁあっン♡」
 たまらず声が溢れ、ベジータはぎゅっとシーツを掴む。今まで何度も悟空に抱かれている内にすっかり雄を誘うように変化していった胸は、ほんの少し刺激を与えられただけで快楽を導くようになっていた。
「ベジータはここ触られるの大好きだもんなぁ」
「ちが、ぁッんッあア、あ……♡」
 もにゅもにゅと揉まれ、いつから自分の胸はこんなにも女の様になったんだと信じられなくなる。だけど、悟空からこんな風に触れられるのは嫌いじゃない。それどころか悦んでいる自分がいて、頭がくらくらとしてきた。きゅむっ♡と先端を強く摘ままれて腰が跳ね、思わず「ひぁん♡」と高い声が出る。胸に触れられただけで全身が熱くなりその先が欲しいのだと、知らず知らずの内にもじもじと身を捩ってしまう。
 そんなベジータの様子を見た悟空はうっとりとした表情で耳元に顔を寄せて来た。
「……もう、挿入れていいか?」
 その問いに声は出さず、代わりに背に腕をまわしてやった。「はやく」なんて言わない。首筋に吸い付いて行為を急かすと小さく笑い声が聞こえた気がして、わざと背中に爪を立てて引っ掻いてやった。
 
 体を起こした悟空は太い指を縦に割れている窄みへ進める。すんなりと迎え入れてくれたよく知った場所を拡げる様に触れ、ベジータの好きな所を探しあてた。
「ぁッう、んぁ♡」
 ぐにぐにと前立腺を指で弄れば甘い声が漏れ始める。それを聞きながら「気持ちいいか?」と訊けば顔を真っ赤にして小さく頷いており、同胞の子どものような反応に愛おしさが募って来る。彼を暴く指を増やしてナカを押し拡げると喘ぎながら乱れており、そんな姿に翻弄されていった。
 そして張り詰めた自身を片手に持つと、悟空は先走りで濡れている先端をベジータの後孔へ押し付けた。窄みはヒクヒク♡と疼き、まだかまだかと待ちわびている。ぬぷり……とゆっくり先端が挿入されキスをするように吸い付いた、その時だった。

「あー!お前ら、なにやってんだよぉーッッ!!」

 寝室の入り口から聞こえたバカでかい声に、情事の真っただ中だった二人は完全に硬直してしまっていた。
 
 * * * * * * *

 もう一人の悟空が寝室に戻って来たことで行為が中断されてしまい、寸止めを喰らったベジータは怒りと焦りに満ちていた。その一方でもどかしさを纏ったままベッドの上で動くことが出来ず言い争っている二人の悟空をぼんやりと眺めている。
「なんで勝手にベジータとえっちしようとしてんだよー!いくらおめぇがオラでも許さねえからな!」
「おめえがどっか行ってるからだろ!くそ、もう少しだったのに」
 口論を続ける悟空を尻目に、ベジータは疼いたままの媚穴に唾液を纏わせた自らの指を這わせる。悟空のようには出来ないだろうが、この熱をはやく解放してしまいたい。自分の体なのでイイ所は分かっている。そこを目掛けて指を進めていると「あっぁ♡」と声が漏れたがそんなことは気にせず自慰に没頭した。
 しかし二本、三本と指を増やしても物足りない。服を着ていない片方の悟空の股間にあるそそり立ったままのモノを眺めながら、それが自分のナカに入って来るところを想像した。
(指じゃ足りない、こんなのじゃ……駄目だ、はやく♡はやくちんぽ欲しい♡生ちんぽ♡カカロットのおっきぃちんぽ♡ああ、もう我慢できないッ♡)
 悟空のちんぽを欲しながらオナニーを続けぐぽぐぽと指の挿入を繰り返す。ぴゅっ♡ぴゅっ♡と自分の先端から溢れたものを見て息を切らし、それでもまだ足りない媚穴はヒクヒク♡と疼きっぱなしだ。
 ベッドの上で足を開いて指を突っ込んだままのベジータがうっとりと悟空の怒張を眺めていると視線を感じた二人が同時に振り返り、同胞がいつの間にかあられもない姿になっていることに気が付くと即座に駆け寄ってきた。
「ベジータ、おめえ……」
 一人の悟空がベジータの頬に触れてくる。それだけで体がびくっと反応してしまい、更にもう一人が欲を吐き出したばかりのトロトロになってるベジータの先端に触れてきてきた。
「あぅ……♡」
「そんな姿見せられちゃ、オラもおかしくなっちまう」
 ぐりぐりと指の腹で先端を弄られ腰が跳ねる。負けじともう一人が唇を重ねてきて「あっキスはずりぃぞ!」と駄々をこねている声が聞こえた。舌に犯される感覚が脳をビリビリと刺激してきて、頭がおかしくなりそうだ。
(きもちぃ、でも、そこじゃなくて……)
 ベジータはなんとか二人から距離を取ると、おずおずと再び足を開いて後孔を拡げるように指を這わせる。そして悟空のちんぽを強請る淫穴を見せつけた。

「どっちでも、いいからァ……はやく、ここに入れろ……ッ♡」